4月からの就職先を決め、大学生活を満喫した。
そこであの事件が起こる。
内定を辞退した某住宅会社が潰れた
そんな話を聞いた。
泣いて取り消しという言葉が多く聞こえてくる。
「幸い、自分の身には何も関係がない。」
人生経験の浅かった私はそう思っていた。
そして、晴れて入社の時を迎える。
同期入社が二人。同じ営業として1人、建築部の採用で1人。
入社式を終えて用意されたデスクに着く。
怖い顔をしたM課長を上長とした若手営業チームに配属された。
ここから怒涛の展開なので箇条書きします。
①リーマンショックの影響で営業不振に陥っていると説明され、家賃補助が出せないと通達。
②集客方法がほぼ全て「飛び込み訪問」だと知る。※アポイントなしで集合住宅をピンポンしてまわる。
③営業活動にはマイカーを使用。ガソリン代は自腹。
④新入社員は8時に出社(他の人は9時)し事務所の掃除。
⑤定時は18時だが21時までは帰れない。
ひとつ年上の先輩との雑談の中からこの会社の実状が漏れてくる。
20代ならまだしも、50代くらいに見える営業マンも毎日毎日大量のチラシをもって飛び込み訪問をしている。
よく聞けば3年目以降の営業マンは「歩合給制度」なんだとか。
リーマンショックの影響で受注がとれず、手取り10万円程度になってしまっている人が多いとか。
なんだか地獄のような雰囲気が漂う事務所だった。
ここで本当に社会人として続けて行けるのだろうか?
入社初日から社会の厳しさを痛感した。
つづく